≪京都府立大学 動物衛生学 塚本教授からのご報告≫

中国で発生したH7N9鳥インフルエンザにおいても充分な感染抑制が可能と確信しています。

インフルエンザウイルスには様々な種類が存在しますが、鳥インフルエンザと呼ばれるのは主に、H5型とH7型になります。H5型はすでに東南アジアをはじめとする各国でヒトへの感染があり、致死率が高いため最も恐れられています。
H7型も鳥〜鳥(特に水鳥)では普通に感染するものですが、ヒトへの感染例は殆どありませんでした。
私たちは、東南アジアでのアヒル牧場での野外調査や鳥市場において、H5やH7の生きたウイルスが高頻度に検出される事を見いだして来ましたので、H5だけでなく、H7型も近い将来ヒトに感染し、死亡させると予想しておりました。
そして、約5年前にH7のHA蛋白(ウイルスが細胞に感染するときに重要な突起)に結合するダチョウ抗体の作製に着手し、大量生産技術の開発に成功いたしました。ダチョウに注射する「H7ウイルスの抗原」というのは、遺伝子工学的に人為的に作製したリコンビナントタンパク質です。H7型ウイルスのDNAを抽出し、カイコの細胞にH7ウイルスのHAのみを作製させ抽出します。
つまり、このリコンビナント蛋白は、生きたウイルスではなく、蛋白質なので取り扱いが安全で容易です。このHAの抗体があれば、実際の生きたH7型インフル(H7N2やH7N9など)の感染が防げます。研究室で2013年5月16日に実施した実験結果により高い反応性(ELISA試験)と中和性(HI試験)を確認しました。
今後早い段階で、中国で発生したH7N9鳥インフルエンザウイルス分離株を用いた、『感染抑制率実験』を試みたいと計画を進めています。